認知障がいと神経がいに対するウェブアクセシビリティ
ウェブアクセシビリティを考慮しなければならないあらゆる種類の障がいの中で、神経障がいと認知障がいは最も多岐にわたります。一般的にこれらの障害には、神経系のあらゆる部分の障がいが含まれます。このような障がいを持つ方は、情報を理解すること、情報を見ること、動きをコントロールすること、その他多くの問題に直面する可能性があります。この記事ではすべての障がいに対応するというよりも、ウェブアクセシビリティの目的のために、認知障がいや神経障がいのある人がウェブを利用する際に直面する主な課題に焦点を絞ってお話しします。
認知障がいや神経障がいのある人々がよく直面するアクセシビリティの問題
点滅するコンテンツ
かつてウェブサイトでは、特定の要素に注目を集める方法として、ちらつきや点滅、動くコンテンツがよく使われていました。幸いなことに、こうしたデザインは今ではほとんど見られなくなりました。もしあなたのウェブサイトに点滅するコンテンツがあるなら、その必要性とデザインを見直す必要があるかもしれません。
特に2Hz から55Hz の範囲内で点滅するコンテンツは、光過敏性てんかんの発作を誘発する可能性があります。皆さんのウェブサイトを見て、誰かが発作を起こすのは避けたいですよね。
発作の危険性はさておき、コンテンツのちらつきはウェブサイト上で最も煩わしいもののひとつであると広く考えられています。これは、ウェブアクセシビリティと優れたユーザー体験がどのように織り込まれているかを示す良い例でしょう。ウェブサイトがアクセシブルであれば、障がいの有無にかかわらず、すべてのユーザーに良い体験を提供することができるのです。
複雑なナビゲーション
ナビゲーションが非常に複雑であったり、ウェブサイト全体に一貫性がなかったりすると、特定の認知障がいを持つ人々にとって混乱を招く可能性があります。明確で一貫性のあるナビゲーションを持つことは、優れたウェブサイトデザインの一部であると考えられているため、ウェブアクセシビリティとユーザー体験がいかに関連しているかが改めてわかるのではないでしょうか。
特定のフォントに関する問題
失読症は最も一般的な学習障害の一つです。国際失読症協会によると、人口の15~20%に失読症の症状が見られるとされており、読みが遅い、正確でない、綴りや字がうまく書けない、似たような単語が混在しているなどの症状が見られます。そのため、失読症の人にとって、ウェブサイト上の文章を読む際に、特定のスタイルを選択することは非常に問題となる可能性があります。たとえば、失読症の人が serif 系のフォントを読むのは難しいと一般に考えられています。文字や数字の末尾に余分な線がついているため、文字がぼやけたり歪んで見えたりすることがあるのです。フォントは、Verdana のような sans serif 系のものを選ぶとよいでしょう。
コントラストの問題
失読症の人によくあるもうひとつの問題は、コントラストが強すぎるテキストです。高コントラストのテキストは、視覚障がい者のためのアクセシブルデザインの要件ではありますが、コントラストが強すぎるとテキストがページ上でぼやけてしまいます。例えば、白地に黒一色のテキストを使うのではなく、グレーのテキストを使う方がよいでしょう。
上書きできないカスタムスタイリング
失読症やその他の障害を持つ人の多くは、特定のフォント、色、コントラストを読みやすいと感じるかもしれません。そのため、ウェブサイトのスタイルを上書きして、自分の好みの設定を使用することを選択する場合があります。強制的に選択したスタイルでウェブサイトを表示させるのではなく、ウェブサイト側でこれを許可するようにしましょう。
レイアウトの問題
特定の認知障がいや神経障がいのある人は、長い文章を読むのが困難な場合があります。読みやすさを向上させるために、すべてのテキストは適切な見出しを付けて小さなセクションに分割し、その間に大きな余白を設けるようにしましょう。ほとんどのユーザーは、探している情報を見つけるためにページをスクロールすることを好むので、これもまた、すべてのユーザーにとって良いウェブサイトデザインの実践と考えられています。
両端揃えテキストの使用も、失読症の人にとっては問題となる可能性があるため、避けるべきです。両端揃えとは、テキストを左マージンに沿って揃え、両マージンと同じ高さになるように字間を調整することです。
正確さが要求される行為
神経障がいの中には、ピクピクしたり、動きをコントロールするのが難しい症状もあります。したがって、ドロップダウンメニューのような精度を必要とするウェブサイト上のアクションは、このような障がいを持つ人々にとって困難な場合があるのです。これはまた、関節炎や四肢麻痺でマウススティックを使用しなければならない人など、特定の身体障がいを持つ人にとっても問題となります。精密な操作を避けることは、モバイルウェブデザインの主要な要素でもあるため、障がい者のためのウェブアクセシビリティを向上させることは、モバイルウェブサイトのユーザビリティを向上させることにもつながるのです。
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