DAM と AI について知っておくべきこと

人工知能（AI）は近年最も注目されているトピックの一つではないでしょうか。あらゆるニュースレター、業界、組織が AI の世界で起きていることについて話題にしていますが、これにはそれなりの理由があります。AI は急速なペースで進歩しており、生産的で考え抜かれた方法でその力を活用する術を知っている人にとっては、大きな可能性を秘めているのです。

この記事では、デジタルアセットマネジメント（DAM）における AI の役割を探ります。また、当社の DAM ソリューション Acquia DAM が、デジタルコンテンツのライフサイクルにおける重要な領域を自動化し、合理化するために AI をどのように活用しているかについても見ていきます。また、コンテンツの作成と管理において AI をどのように活用するのかということも重要なポイントです。 AI を DAM で最大限に活用するためには、戦略とベストプラクティスの全く新しいツールが必要になるでしょう。

AI が生成したコンテンツを管理するためのヒント

ご存知のように、コンテンツ制作はもはや人間だけの努力ではありません。ChatGPT や DALL-E のような生成 AI ツールは人気を博しており、AI テクノロジーにコンテンツ制作を簡単に任せることができるようになりました。しかし、ここで問題があります。コンテンツ作成が変われば、それを管理する方法も変化しなければならないのです。 

法的配慮を念頭に置く

著作権や知的財産権（IP）法において、AI は新たな複雑さと曖昧さをもたらしています。AI は人間のクリエイターと同様クレジット表記する必要はあるのでしょうか？AI が著作権で保護されたコンテンツを盗用した場合、あなたは責任を負うのでしょうか？AI は肖像権やライセンスにどのような影響を与えるのでしょうか？CMSWire の記事（英語）でこのような質問にお答えしていますが、AI が生成するコンテンツをめぐる法的な問題は複雑だということがポイントです。AI を使用する際は、法律についてよく理解し、慎重に進め、コンテンツの承認やガイドラインの作成に法律の専門家が関与していることを確認してください。これが次のポイントにつながります。 

ブランドガイドラインの更新

ブランドガイドラインは、ブランドの一貫性をサポートし、視覚的、言語的、文字的なアセットを人々がどのように使用できるか、また使用できないかの枠組みを定義します。AI の普及とその法的パラメーターの進化に伴い、企業はブランドガイドラインを再検討し、AI が生成したコンテンツが承認され、使用が適切かどうか、いつ、どのように、誰が、どのような立場で使用するかを明確に定義する必要があります。

新しいメタデータフィールドを作成する

AI が生成したコンテンツを DAM システムで活用する場合、ブランドガイドラインの遵守、法的リスクの軽減、パフォーマンスの分析、AI やコンテンツクリエイターの適切なクレジット表示、問題のトラブルシューティングなどを確実に行うために、新しいメタデータフィールドを作成する必要があります。

AI から着想を得たメタデータフィールドの例： 

• 生成ツール： たくさんの生成 AI ツールがあります。DALL-E、ChatGPT、Gemini、Midjourney など、どの AI ツールがアセットを生成したのでしょうか？
• プロンプト：どんなテキストプロンプトを使ってアセットを作成しましたか？これにより、効果的で望ましいブランドスタイルに合ったプロンプトに従って、他の人が同様のコンテンツを再現するのに役立ちます。
• シリーズ番号：同じプロンプトを複数回入力した場合、AI ツールは毎回異なるアセットを作成します。そのため、まったく同じプロンプトからのアセットを区別するための識別子が必要です。
• ファクトチェック済みの可否：AI は必ずしも正確とは限りません。盗用や情報の捏造、その他の法的リスクを引き起こす可能性があるので注意が必要です。適切なチェックや監視を行うことで、組織を守ることができます。
• 投稿者：誰がプロンプトを書きましたか？ AI がアセットの作成に使用したテキスト、デザイン、写真、その他のコンテンツを作成したのは誰でしょうか。これらの人々の名前を明記したり、監査の際にこの情報を使用する必要があるかもしれません。

分析とトラッキング

他のコンテンツと同様、AIが生成したアセットが成果を上げ、顧客を積極的に惹きつけているかどうかを知る必要があります。また、AIを使用してコンテンツの生成量と速度を高めているのであれば、スケールの大きなパフォーマンスを迅速に分析し、どのコンテンツが使用され続けているか、または削除されているかを管理する自動化システムを導入することがさらに重要になるでしょう。

DAM 技術における AI の活用

AI が生成したコンテンツを DAM で管理する方法を知っておくことに加え、AI がコンテンツのライフサイクル全体を通してどのようにアセットを管理するのに役立つかを知っておくことも必要です。アクイアではこのような開発の最前線に立ち、メタデータ管理からアセットディスカバリ、コンテンツ制作など、あらゆる面でお客様を支援するさまざまな AI 機能を提供しています。

アセットの整理と発見

メタデータは、そのファイルが何であり、どのように使用されるべきかを示す情報です。DAM プラットフォームの基礎となるもので、これがなければ、DAM システム内でアセットを整理、検索、使用、効果的に管理することはできません。

メタデータ管理にかかる時間と労力について、DAM システム担当者のグループにアンケートを取れば、必ず何らかの意見が返ってくるはずです。多くのメタデータは、他のシステムから取得されたり、ファイル自体に埋め込まれたりしていますが、かなりの量のメタデータ（その多くは記述的なもの）を自分で作成する必要もあります。Acquia DAM は、記述的メタデータに特化した AI 機能のおかげで、このようなメタデータの作成とタグ付けの一部を代わりに行うことができます。

画像認識AIを使用することで、Acquia DAM はアセットを認識し、アップロード時に自動的にキーワードと説明文をタグ付けすることができます。この AI 機能は、あらゆる画像（レイヤー化された Adobe Photoshop や Illustrator ファイルを含む）や PDF に対応します。アセットを確認し、色、デモグラフィック、感情、分類（例：屋内と屋外）、業種（例：旅行やアパレル）など、アセット内のオブジェクト、主題、属性を特定することでメタデータを作成します。

Acquia DAM が活用する Clarifai の画像認識モデルに加え、製品名、ブランド用語、その他コンテンツを見つけるために使用するビジネス特有の単語を使用するカスタム AI モデルを学習させることも可能です。

メタデータのための AI は非常に便利で、手作業で処理するよりも100倍速く作業することができますが、それでも、独自のメタデータ拡張機能を追加し、AI が生成したメタデータが正確でブランドに忠実であることをチェックすることは依然として望ましいでしょう。AI は人間のように見えますが、AIが行う作業を監督し、管理し、チェックし、構築するには、やはり実際の人間が必要なのです。

多言語サポート

余分な作業をすることなく、ビジネス特有の地域や言語のニーズに対応。Acquia DAM の AI によるメタデータの自動化は、53の言語で利用可能です。これにより、各チームは自分の好きな言語でコンテンツを検索し、使用方法を理解することができます。

他の画像を探す

前回、オンラインで買い物をしたときのことを考えてみてください。あるブランドのウェブサイトを見たとき、他のおすすめ商品も提示されたことでしょう。Acquia DAM は同じような体験を提供しますが、購買側の不満は生じません。

Acquia DAM で画像を検索して見つけたとしましょう。その画像は悪くない選択肢ですが、あなたが探しているものとは少し違ったとします。Acquia DAM は先ほど説明した画像認識 AI を使って、あなたが閲覧した画像に似た代替画像を提示します。つまりメタデータの制約がなくなり、あらゆる用語をメタデータとして適用することなく画像を発見できるようになるのです。言い換えれば、画像を見つけるために完璧なメタデータは必要ありません。

SEO とウェブアクセシビリティの向上

検索エンジン最適化（SEO）は、ブログやウェブページのようなテキストベースのコンテンツで考えられることが多いですが、画像も検索エンジンのランキングやウェブサイトの可視性を高める上で重要な役割を果たします。Acquia DAM の AI を活用して alt テキストの説明を生成すると、スクリーンリーダーを使用している人々へのアクセシビリティが向上し、検索エンジンにより完全で強固な情報を提供することで SEO が向上します。

クリエイティブなワークフローをサポート

私たちが DAM ソリューションで提供している AI の多くは Clarifai によって実現されていますが、クリエイティブコラボレーションツールである Workflow 内でも ChatGPT by OpenAI を活用して AI によるサポートを提供しています。これはどういうことかというと、ワークフロー内で校正をレビューしている人が、私たちが提供する AI アシスタントに質問できるということです。質問すればすぐに会話口調で、幅広いインターネットデータに基づいた回答が得られます。お察しの通り、これにはたくさんの活用法があります。

クリエイティブな成果物をレビューするときに、議論されることをすべて考えてみてください。実際のチームメイトとのコラボレーションが重要であることに変わりありませんが、コピーの提案や修正、文法チェック、デザインのアイデア、ビジュアルの着想など、AI アシスタントにちょっとした助けを求めても損はないでしょう。AI アシスタントは、まるで時間を惜しまずアシストしてくれる親切な助手みたいなものです。

DAM で AI を最大限に活用しましょう

AI は、コンテンツの作成と管理方法を根底から変える可能性を秘めています。時間のかかる作業を自動化し、ワークフローを合理化。そしてコンテンツ制作の効果を向上させる AI の能力を活用する方法を知ることは、DAM を成功に導く決定打となり得ます。AI はすでに実用化されています。あなたはその力を最大限に活用できていますか？ 

DAM のための AI についての詳細や、Acquia DAM の AI 機能が実際に動作する様子をご覧になりたい方は、今すぐライブデモをご予約ください。

注：この記事は2023年に掲載されたもので、最新の情報に更新されています。