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デジタルアセットマネジメント(DAM)とは?
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デジタルコンテンツに対する需要は年々高まる一方です。 また、インターネット上で毎月何千もの新製品が生み出されていることは、消費者の立場から見ても明らかではないでしょうか。 この膨大な量の画像やアセットを制作、保管、整理し、マーケティング活動をサポートしてくれる効率的な方法を見つけることが、今企業に求められているのです。 デジタルアセットマネジメント(DAM)プラットフォームは、デジタルアセットを大規模に一元管理・配信するためのツールです。
DAMプラットフォームをまだ導入していない企業の場合、ほとんどのCMOにとって欲しいものリストの上位に位置しているでしょう。 そしてDAMの市場は、 2019年の30億米ドルから2026年には100億米ドルに成長すると予測されています。 しかし、DAMは単なるソフトウェアではありません。 ここでは、デジタルアセットマネジメントとは何か、誰にとって必要なのか、そのメリット、提供される機能、そして特定のビジネスニーズに適したDAMシステムの選び方などを説明します。
目次
DAMとは?
DAMの種類
DAMが必要な人とは
DAMでできること
DAMに関するFAQ
DAMとは?
デジタルアセットマネジメント(DAM)とは、メディアファイルの保存・管理・配信を行う手法のことです。 マーケティングやそのほかの目的に使用されるファイルなどのデジタルコンテンツ(写真、ビデオ、グラフィックなど)を一元的に管理できるテクノロジーです。 |
DAMは1990年代に登場し、瞬く間にマーケティングソフトウェアの基礎となる存在に成長しました。 デジタル・マーケティングの台頭により、顧客とのコミュニケーション、ブランディング、競合他社との差別化のために、マーケターはあっという間に大量のデジタルコンテンツを必要とするようになりました。
コンテンツ量が爆発的に増えたため、画像、ビデオ、グラフィックの大規模なライブラリーの格納に四苦八苦する企業が増加。 私物のデバイス、雑然とした共有フォルダ、無造作に置かれたハードディスク、CDなど、コンテンツはいたるところに散らばっているのです。 結果としてマーケティングチームは、製品の発売やキャンペーンなど、重要な施策に必要なコンテンツの検索と配信に苦労していました。
この課題を解決するために、 DAMのパイオニアたちは司書の情報管理技術を研究し、それをメディアファイルに適用したのです。 ワイデンのDAMはその先駆けで、1996年に画像データベースのWebインターフェースとしてスタートしました。 現在、ワイデンは アクイアの一員となり、 DAMの分野におけるリーダーとして、エンタープライズのコンテンツ管理プラットフォームを提供し続けています。
デジタルアセットとは?
デジタルアセットとは、デジタルファイル形式で保存されているコンテンツのことです。 これらのデジタルアセットは、企業のブランディング、オンライン・オフラインの営業・マーケティング活動を支援するために利用されています。 ブランドにとってデジタルアセットは、アイデンティティの確立やそのサポート、コミュニケーション、そして顧客体験の形成に欠かせないものです。 |
デジタルアセットの種類には、以下のようなものがあります。
- 画像
- 動画
- 360º 画像
- オーディオファイル
- ブランドガイドライン
- 文書
- 請求書
多くのブランドは、散在したハードディスクや USBメモリ、簡単なクラウドストレージツールでデジタルアセットを管理をしているのが現状です。 しかし多くの場合、こうしたシステムはすぐに限界を迎えてしまい、何かもっと良い方法がないかと模索し始めるのではないでしょうか。
デジタルアセットマネジメントの種類
DAMシステムは、さまざまなマーケティング活動をサポートするために、さまざまな機能を提供しています。 マーケティングチームが解決すべき課題を理解することで、企業は適切なソリューションを見出すことができるでしょう。
ここでは、マーケターがよく利用するデジタルアセット管理ソリューションの種類を紹介します。
- ブランドマネジメント:社内外の関係者が一貫したメッセージとイメージでブランドのイメージを表現できるよう、マーケターはブランドマネジメントソフトウェアを使用しています。 DAMシステムで保存・管理できるブランドリソース は多岐にわたります。
- マーケティングリソースマネジメント:マーケティングリソースマネジメント(MRM)は、マーケティングチームとプロセス、テクノロジーを一つのシステムにまとめたソフトウェアです。 企業がマーケティング業務を追跡、管理、報告することでリソースを最適化し、より効率的なプロセスの実現をサポートしてくれるのがMRMソリューションです。
- 動画の管理:動画の管理ソフトウェアは、動画ファイルの作成からアーカイブまでの一連の流れに伴う保存や整理をサポートします。 動画ファイルは非常に大きなサイズであることが多いため、アクセス、共有、公開の方法を簡単にする必要があります。
- 商品情報管理:商品情報管理(PIM)とは、商品を販売するために必要な仕様書や説明書、コンテンツなどを整理し、配信するソフトウェアです。 また、グローバルなEコマースチャネル向けに、訴求力のある商品のリストアップも支援します。
理想の企業向けDAMソリューションとは、上記の4つのデジタル資産管理が可能なものでしょう。 それぞれの役割によって求められる機能は異なりますが、すべてのユーザーに価値を感じてもらえるようなシステムであるべきです。 複数のチームが異なる目的でDAMを使用している場合、一般的にDAMシステムから最も恩恵を受けるのはどのチームでしょうか?
DAMを必要とするのは誰か?
社内でデジタル資産を利用する人、つまり全員がDAMを必要としているのです。 ソフトウェアだけではありません。同時に、デジタル資産管理のプロセス、ガイドライン、戦略、ツールなど、デジタル資産を持つ企業ならばこれらも導入すべきでしょう。 多くの場合、DAMシステムに投資することは、すべてのファイルの保存、整理、公開のプロセスを合理化することを意味します。
DAMシステムは、コラボレーションを促進し、より良い顧客体験を創造、そして収益の増加を後押しします。 DAMプラットフォームを利用することで、日々のコンテンツ制作を効率化できるようになります。 誰もがDAMのメリットを感じられる一方で、下記の職種の場合は導入のメリットがより大きくなります。
- クリエイター:クリエイティブディレクター、ブランドマネージャー、グラフィックデザイナー、ビデオグラファーなど、クリエイティブおよびプロダクションチームのメンバーは、DAMシステムによって時間を節約し、作業の流れを合理化し、より良い作品を生み出せるようになるでしょう。
DAMツールを使えば、デジタル資産のライブラリーを整理し、必要なものをすぐに探し出すことができます。 また、優れたシステムを導入することで、校正の共有、フィードバックの確認、そして承認の取り付けといった、制作物の承認プロセスを効率化できるのです。 承認されたクリエイティブは、セルフサービスポータルや共有リンクを使って、社内の各チームに自動配信できます。 これにより煩雑なメールのやり取りがなくなり、全員が自分の仕事に専念できるようになります。
- マーケター:クリエイティブアセットが承認され準備が整うと、マーケターはDAMシステムを使ってメディアファイルを管理し、キャンペーン、製品発売、コンテンツマーケティング施策などを効果的に展開できるようになります。
キーワードでアセットを検索したり、ファイルフォーマットをその場で変換したり、複数のチャネルにコンテンツを公開したりできる、使いやすいライブラリーを手に入れることができるのです。 また、代理店、販売店、小売店、その他関係者とメディアキットなどのアセットを共有するポータルサイトをカスタムして作成することも可能です。 DAM分析ツールには、作業の優先順位を決め、より賢くコンテンツに投資できるようにするためのインサイトを提供してくれます。
- 代理店:代理店はDAMを使用することで、クライアントのアセットを保護、ワークフローを簡素化、キャンペーンや顧客体験構築に用の最新コンテンツに簡単にアクセスできます。
アカウントマネージャー、代理店のクリエイター、その他クライアントチームのメンバーは、DAMを使用してコンテンツを検索したり、ポータルサイトからアセットのコレクションにアクセスしたりすることができます。 DAMの導入による代理店にとっての最大のメリットは、システム内のファイルを更新するたびに、 そのアセットが埋め込まれている場所も同時に最新版に更新されることです。 この機能により、代理店は一貫したブランド体験が構築でき、時間(請求可能な時間も含めて)を節約することができます。
- IT担当者:IT担当者は、マーケティングテクノロジー(マーテック)を統合し、一つにまとめるという大変な作業を行わなければならない人です。 DAMシステムは、重複を減らし、システムやチーム間のコラボレーションを促進するためのソリューションです。
一元的なハブとなり、市場参入のためのテクノロジーをコンテンツとともに活用することができるのです。 あらかじめ組み込まれた統合機能とAPIにより、コンテンツ管理、販売促進システム、マーケティングオートメーション、ソーシャルメディア、顧客関係管理(CRM)など、DAMソリューションを他のシステムを接続することができます。
DAMのメリット
カスタマージャーニーの各ステップにおいて、パーソナライズされた高品質のコンテンツを提供することは、マーケティング戦略の中心にある最大の課題であり目指すところと言えるでしょう。 企業はDAMシステムによって、適切なコンテンツを適切なタイミングで、適切なメッセージとともに、すべてのチャネルに発信できるツールを手に入れることになります。 このレベルのオムニチャネル顧客体験が提供できれば、顧客の生涯価値、ブランドロイヤリティ、満足度を向上させることができるようになります。
DAMシステムは、企業のデジタル資産を保存し、整理するための一元的な情報源となります。 この一元化は、制作プロセスの簡素化、ブランドの一貫性の確保,、マーテックスタックの統合など、他にも様々な価値をもたらし、マーテックの総所有コスト(TCO)を下げることにつながります。
DAMに投資する企業は、このようなメリットを享受することができるのです。
- 一つのシステムで整理されたコンテンツ
- 効率的なワークフロー
- ブランドの一貫性
- アナリティクスでコンテンツの効果を測定
- 統合されたマーテックスタック
しかし、DAMがもたらすメリットはこれだけではありません。その他のメリットについては、こちらをご覧ください。
DAMでできること
DAMプラットフォームは、基本的にすべてのデジタルアセットを保存、管理、公開するための中心的なハブです。 これによって、ユーザーは最新の承認済みアセットを安心して検索し、アクセスすることができます。 マーケティングチャネル全体にこれらの資産を配布する機能は、DAMシステムが他のマーケティングテクノロジーと連携し、APIを介して通信することによって実現されます。
DAMツールは、自動化機能によってコンテンツの作業効率を向上させます。 DAMシステム内にある1つのファイルをアップデートすることで、Web上に埋め込まれたコンテンツは自動的または必要に応じて更新することができます。 エンタープライズ向けのDAMシステムには、どのコンテンツが最も共有、閲覧、活用されているかなど、便利なインサイトを確認できる分析ダッシュボードが搭載されています。 チームごとにシステムの優先順位や目標は異なりますが、エンタープライズDAMソリューションには以下のようなことが期待できるでしょう。
- 一つのシステムにアセットを集約:音声ファイルからブランドガイドライン、製品画像まで、すべてを一箇所で管理ができます。 ロゴ、ドキュメント、ビデオ、作業中のファイル、360°写真などのプレビューを見たり、操作も可能です。
- セルフサービス型アクセスの提供:地域やタイムゾーンに関係なく、必要なものを必要なときに見つけられるようになります。 アクセス権限付きの安全なサイトアクセス、ポータルによるアセットセレクションの整理、コンテンツの個別共有が可能です。
- 最新の承認済みアセットを公開する:アセットのバージョンを管理する。 さらに、一度更新すれば、すべてのシェアリンクや埋め込みリンクにアセットが自動的に公開されます。
- コンテンツ関連のワークフローを自動化。 メタデータをワークフローに活用しましょう。 ノーコードでルールベースの自動化を設定し、新しいコンテンツが利用可能になったときにユーザーに通知します。 人工知能(AI)を使って自動タグ付けを強化し、メタデータを適用します。
- コンテンツを変換して再利用する。 画像、ビデオ、オーディオファイルをその場で他の形式に変換します。 ソーシャルメディア、スライド資料、ウェブページ用の一般的な変換を設定したり、必要に応じてトリミングやサイズ変更を行うことができます。
- アナリティクスでコンテンツの効果をモニタリングする。 サイト単位、アセット単位での分析を意思決定に役立てるだけでなく、監査用にバージョン履歴を確認することも可能です。
エンタープライズ向けのDAMは、さらに多くの機能を備えている場合があります。
さらなる可能性を知る
DAMに関するFAQ
DAMでカバーしている領域は広範囲に及ぶため、様々な疑問点があるかもしれません。 ここでは、DAMの導入にあたってよくある質問をご紹介します。
なぜDAMが重要なのか?
DAMは、あらゆるデジタルチャネルでコンテンツを保存、管理、公開するためのアプローチとテクノロジーを提供します。 DAMツールは、コラボレーションの促進、オムニチャネルでの顧客体験強化、ブランドロイヤリティの改善、顧客生涯価値(LTV)を向上させ、最終的には収益の増加につながるでしょう。 DAMソリューションを活用することで、お客様のニーズに迅速に対応し、パーソナライズされた体験を構築でき、刻々と変化するデジタル環境に柔軟に対応できるようになります。
最適なDAMソリューションを選ぶには?
実際、あまりに多くの選択肢があるため、購入前に慎重に評価することが重要です。実際DAMシステムの選び方ガイドがあるほどなのです。 適切なソフトウェアソリューションを選択することはプロセスであり、いくつかの簡単なステップから始まります。 まずはどの企業にも共通する質問から始め、DAMシステムによってワークフローがどのように変わるかを明確にし、ベンダーと話し合うべき重点項目を特定しましょう。
なぜ、DAMに投資する必要があるのか?
パーソナライズされたオムニチャネルでの顧客体験を実現するためや、制作費を節約しながら、同時に生産性を上げるためかもしれません。 またはマーケティングテクノロジーのTCO(総所有コスト)を削減するためかもしれません。 DAMソリューションは、これら3つすべて、あるいは想像しうるほぼすべてのマーケティング戦略を可能にする方法であると言えるでしょう。 DAMに投資する強力な事例は数多くあります。
この後の進め方について
消費者向けパッケージ商品(CPG)企業からプロスポーツ団体まで、あらゆる業界がDAMに投資しています。 世界のオンライン小売業の売上高は、2025年までに7.4兆ドルに成長すると予測されており、Eコマース企業はこの成長をDAMシステムに投資することで上手く活かすことができるでしょう。 製品コンテンツとクリエイティブワークフローの合理化により、マーケティングチームはDAMを使用して、生涯価値、ブランドロイヤルティ、顧客満足度を向上させることができます。
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