Drupal SEO: マーケターガイド
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ChatGPTやその他の言語モデル(LLM)がデジタルコンテンツのあり方を変えつつあるとはいえ、SEOが重要であることに変わりありません。むしろ技術的に優れたSEOは、これまで以上に重要になっているかもしれません。なぜかというと、より速いコンテンツ制作に対抗するためには、より質が高く、見つけやすく、整理されているコンテンツである必要があるからです。
読み込みに2秒かかるウェブサイトのコンバージョン率は34%。さらに1秒かかると、コンバージョン率は29%に低下します。ページスピードの最適化は、ウェブサイトにおけるSEOの1つの側面に過ぎません。グローバル規模で注目を集めるためには、シンプルなURL、構造化メタデータ、多言語サイトマップを使用しながら、CMS(コンテンツ管理システム)がコンテンツを高速に読み込む必要があります。
Drupalは人気のオープンソースCMSで、SEOの機能やそれ以上の機能を備えています。この記事では、Drupalを使って管理する全てのサイトのSEOを改善する方法をご紹介します。
DrupalはSEOに強いのか?
答えはイエスです。CMSだけで上位表示やオーガニック検索のパフォーマンスが保証されるわけではありませんが、DrupalはCMSに求められるSEO対応の機能をすべて備えています。優れたSEOは、コンテンツの質、ウェブサイトの構造、あなたのサイトにリンクしている他のサイトの数と質などの要素にも影響されます。
世界中のさまざまな業界のあらゆる規模の組織が、Drupalを使用して企業ウェブサイト、eコマースサイト、モバイルアプリケーション、デジタルサイネージ、ソーシャルネットワーキングサイト、イントラネット、ポータルサイト、マイクロサイト、リソースディレクトリ、キオスクなどを構築・管理しています。
DrupalのSEO対応機能を簡単にご紹介します。
- クリーンなURL
- カスタマイズ可能なメタタグ
- XMLサイトマップ
- ページスピードの最適化
- モバイル最適化
- SEOモジュール
- 多言語対応
SEOモジュール
Drupalはオープンソースであるため、ユーザーは自分の好きなようにDrupalを運営したり変更したりすることができます。また、DrupalウェブサイトのSEOパフォーマンスを向上させるSEOモジュールのホストもあります。これらのモジュールは、メタデータの最適化、SEOフレンドリーなURLの自動生成、XMLサイトマップの生成などの機能を提供します。
- Pathauto:ユーザーが手動でパスエイリアスを指定することなく、様々な種類のコンテンツ(ノード、タクソノミーターム、ユーザー)のURL/パスエイリアスを自動的に生成
- メタタグ:ウェブサイトに関する構造化されたメタデータ、別名「メタタグ」を自動的に提供
- リダイレクト:古いURLから新しいURLへのリダイレクトを実行
- シンプルなXMLサイトマップ: sitemaps.orgの仕様に準拠したサイトマップを作成。これにより、検索エンジンがウェブサイトをより賢くクロールし、検索結果を最新の状態に保つことができる
- SEOチェックリスト:Drupal SEOの最適な方法を提供するモジュール。過去に何が実行され、そして今後何をする必要があるのかを追跡
- Drupal用リアルタイムSEO: キーワード、投稿の長さ、メタディスクリプション、その他のSEOの要素を最適化するために、リアルタイムのコンテンツ分析を提供
- トークン:Drupalでトークンを使用するための一元的なAPIを提供。厳密にはSEOモジュールではないが、パスエイリアスやメタタグのようなフィールドで動的なデータを可能にするため、メタタグやPathautoのような他のSEOモジュールに必要とされることが多い
- Hreflang: 特に多言語サイトにとって便利なモジュールで、検索エンジンがあなたの言語バージョンを理解し、異なる地域のユーザーに検索結果を表示する方法を改善するのに役立つ
これらのモジュールはSEO対策を管理しやすくするだけでなく、キーワードのパフォーマンスの追跡、構造化データの検証など、追加機能の提供も可能にします。
Drupal SEOチェックリスト
画像の読み込みは高速で、URLはシンプルでわかりやすく、XMLサイトマップはサイトに新しいコンテンツが追加されるたびに更新される必要があります。DrupalのCMSでSEOを最大化するためには、ある程度の時間と労力が必要ですが、Drupalの組み込みSEO機能だけでなく、上記で紹介したSEOモジュールを使えば、非常に簡単に行うことができます。
以下に、あらゆるDrupalウェブサイトのSEOを改善するために使用できるチェックリストをご紹介します。
URLの最適化
SEOにおいてURLは大きな役割を果たします。簡潔で、ページの内容を反映するキーワードを含み、Googleやユーザーがウェブサイトの構造を理解しやすいよう、戦略的な形式に従わなければなりません。Drupalでは、各コンテンツ(ノードとも呼ぶ)のURLをカスタマイズすることができ、ターゲットとするキーワードを柔軟に含めることが可能です。
Drupal 8以降では、「クリーンURL」がデフォルトで有効になり、URLがよりユーザーフレンドリーで読みやすくなるため、ウェブサイトのSEOパフォーマンス向上に役立ちます。この設定は、以前のDrupalバージョンのURLで使用されていた"?q="をURLから削除する機能です。
サイトマップの作成
検索エンジンがあなたのサイトをクロールし、その構造を理解するのに役立つのがサイトマップです。検索エンジンを重要なページすべてに導く、ウェブサイトのロードマップのようなものなのです。DrupalはSimple XML Sitemapモジュールのような、サイトマップを効率的に生成・維持するためのモジュールをいくつか提供しています。
コンテンツの追加や変更に合わせて、Simple XML Sitemapモジュールは自動的にサイトマップの更新を行います。これにより、検索エンジンは常にあなたのウェブサイトのコンテンツを最新の状態で見ることができます。
コンテンツの最適化
関連性が高く、高品質でユニークなコンテンツを提供することが、SEO対策の王道であることに変わりはありません。Drupalのコンテンツ作成インターフェースは直感的かつ高性能であり、コンテンツを効果的に作成・管理するために必要なツールをすべて備えています。Drupalの柔軟なコンテンツアーキテクチャにより、ブログ、記事、投票など様々なタイプのコンテンツを作成することができ、オーディエンスの様々なセグメントを巻き込み、SEOパフォーマンスを改善できるようなコンテンツを作成することができます。
コンテンツ戦略を練る以外にも、技術的にSEO対策を行う方法もいくつかあります。
- コンテンツを見直す: 全てのコンテンツが高品質で関連性があり、重要なキーワードが含まれていることを確認する。また、ヘッダーを適切に使用し、テキストを分割して読みやすくすることも重要
- 適切な画像を使用する: 使用する画像は常にページの内容に関連したものであることを確認。関連性のない画像は、ユーザーや検索エンジンを混乱させる
- 分かりやすいファイル名を使用する: 画像ファイルの名前は、画像の内容に関連するようなものに変更。例えば、"IMG_1234.jpg "ではなく、"black-kitten-playing.jpg "に変更することで、検索エンジンが画像の内容を理解しやすくなる
- 代替テキスト(altテキスト)を使用する: 画像には必ずaltテキストを追加。このテキストは画像を説明するもので、視覚障害者用のスクリーンリーダーで使用されたり、検索エンジンが画像の内容を理解するために使用される。altテキストは画像を正確に説明し、関連するキーワードを含めることも可能
- 画像を圧縮する: 大きな画像はサイトの表示速度を低下させ、SEOに悪影響が出る可能性も。画像圧縮ツールを使って、画質を下げることなくファイルサイズを縮小する。Drupal の「画像最適化」のようなモジュールを使うと便利
- 適切な画像フォーマットを使用する: 画像のフォーマットもファイルサイズや品質に影響する。一般的に写真にはJPEGが向いているが、テキストや線画などの画像にはPNGが適していることもある
- 多言語コンテンツSEO: ウェブサイトが多言語である場合、言語と翻訳サポートのために必要なDrupalモジュールを必ず使用すること。hreflangタグを正しく設定し、検索エンジンがコンテンツを重複と見なさないようにすることが、多言語SEO戦略を成功させる鍵となる
メタデータの最適化
タイトルや説明文を含むメタデータは、検索エンジンがコンテンツを理解し、ランク付けする上で重要な役割を果たします。Drupalのメタタグ・モジュールを使えば、ウェブサイトに関する構造化されたメタデータ(メタタグとしても知られています)を自動的に提供することができます。
メタタグ・モジュールは、Open Graph、Twitter Cards、その他多くのメタタグを含む幅広いメタタグをサポートしており、ソーシャルメディア上でのコンテンツの可視性を高め、全体的なSEO対策に貢献します。
パフォーマンスの向上
ページスピードは非常に大切で、読み込みに1秒かかるごとにコンバージョン率に大きな影響を与えます。Drupalは、キャッシュ、画像の最適化など、ウェブサイトの速度と全体的なパフォーマンスを向上させる様々な方法を提供しています。
- Drupalのキャッシュを有効にする:Drupalにはキャッシュ機能が組み込まれており、サイトの速度を大幅に向上させることが可能。コンテンツがキャッシュされる期間や、キャッシュがクリアされるタイミングをコントロールする設定が複数ある
- 高度なキャッシュモジュールを使用:高度なキャッシュ機能を提供するDrupalモジュールがいくつかあり、例えば、Memcache API and IntegrationモジュールはキャッシュにMemcachedを使用できる
- CSSとJavaScriptファイルの集約: DrupalはCSSとJavaScriptファイルをまとめて圧縮するオプションを提供している。これらのオプションを有効にすることで、HTTPリクエスト数とファイルサイズを減らすことができ、ロード時間を改善する
- コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)を利用: ユーザーに地理的に近いサーバーからサイトの静的ファイルを提供することで、読み込み時間を大幅に短縮することができる。利用可能なCDNサービスは複数(Acquia Cloud Edgeを含む)ある
- 画像サイズを考慮する:大きな画像ファイルはサイトの表示速度を著しく低下させる原因となるため、画像最適化モジュールを使用して画像を自動的に最適化する。画像のサイズを小さくしたり圧縮したりして、アップロードする前に手動で最適化することも可能
- Gzip圧縮を有効化: サーバーから送信されるファイルのサイズを小さくすることができる。サーバーの設定で有効にするか、Apacheを使用している場合は.htaccessファイルで有効にすることができる
- データベースを最適化:時間が経つにつれてDrupalのデータベースは断片化され、動作が遅くなることがあるため、Optimize DBモジュールを使用して定期的にデータベースを最適化する
- Drupalサイトの更新とメンテナンス:アップデートはパフォーマンスの改善を含むこともあるため、Drupalのコア、テーマ、モジュールがすべて最新であることを確認し、適宜更新を行う。また、使用していないモジュールやテーマは無効にしてアンインストールする
- 良質なホスティング・プロバイダーを選ぶ: ホスティングプロバイダの性能は、サイトのスピードに直結する。優れたプロバイダを選び、サイトの規模が大きい場合やトラフィックが多い場合は、より多くのリソースを持つプランを選択(AcquiaのDrupalホスティングについてはこちら)する
- プロファイリングツールを使用: Web Profilerモジュールのようなプロファイリング・ツールは、サイトのパフォーマンスのボトルネックを特定するのに効果的
また、モバイルトラフィックはインターネット利用の大部分を占めるため、どのデバイスでもうまく動作するウェブサイトを持つことは必須です。Drupalはデフォルトでレスポンシブテーマを採用しており、どのデバイスでも見やすいウェブサイトを作ることができます。上記のヒントに加え、あなたのサイトをよりモバイルフレンドリーにするための具体的な方法もご紹介します。
- コードを最小化する: モバイルサイトの読み込みを高速化するには、コードの最小化が不可欠。最小化とは、サイトのコードから不要な要素を削除することで、レンダリングを高速化し、読み込み時間を短縮すること。前述のように、Advanced CSS/JS Aggregationモジュールを使用することで、ファイルを圧縮し、ページの読み込み時間を短縮することが可能
- ブラウザ・キャッシングの導入:閲覧者のブラウザが同じファイルを繰り返しダウンロードする必要がないように、データを保存する方法。キャッシングはブラウザに特定の情報を保存するように指示し、訪問者があなたのウェブサイトで新しいページを開くたびにリクエストして転送する必要がないようにする。Drupalでは、ブラウザキャッシングはコントロールパネルで設定できるビルトインツールとなっている
- モバイルフレンドリーなテーマを使用: すべてのテーマがモバイル対応に関して同じように作られているわけではないため、モバイルフレンドリーに特化したテーマを選択することで、様々なデバイスに対応することが可能になる。カスタムテーマが必要な場合は、Drupalコミュニティが最新のWeb標準を考慮して設計した多数のレスポンシブテーマを提供している。あらゆるデバイスで高品質なユーザー体験を保証し、SEOをさらに強化する
多言語サポートの提供
ますますつながりが強化されていく現代では、多様な言語や地域に対応したウェブサイトを持つことは必要不可欠です。Drupalは多言語でコンテンツを提供するサイトの作成が可能なため、SEOパフォーマンスを大幅に改善し、より多くのオーディエンスにリーチすることができます。
さらに、DrupalではURLの言語検出とカスタマイズが設定できるため、多言語サイトのURLが確実に地域の検索結果に最適化されます。
ここでは、多言語SEOのためにサイトを最適化するためのいくつかのステップをご紹介します。
- コンテンツを翻訳する:多くの翻訳機能がDrupalコアに組み込まれています。これには、ノード、タクソノミー用語、メニューアイテム、ユーザープロファイルを含むコンテンツアイテムの翻訳、ウェブサイトの設定を複数の言語に翻訳するインターフェイスなどが含まれています。さらに、翻訳管理ツール(TMGMT)モジュールは、一般的な翻訳プロバイダとの連携を容易にしてくれます。
- 多言語と多地域の違いを理解する: 多言語サイトと多地域サイトは似て非なるものです。多言語サイトが複数の言語でコンテンツを提供するのに対し、多地域サイトは特定の国のユーザーを明確にターゲットにしています。多地域サイトと多言語サイトの両機能を備えたサイトもあります。多言語サイトでは、SEOに影響を与えることを目的にウェブサイトのコンテンツを翻訳します。一方、多地域サイトでは、特定の地域のキーワードやトレンドに基づいてウェブサイトのコンテンツを最適化します。これらの取り組みは重複する可能性も高く、ターゲットとする地域での上位表示を目指すのであれば、その地域向けに翻訳されたターゲットコンテンツを用意する方が得策と言えるでしょう。
今すぐ始めましょう
Drupalには、ページランキングを上げることができるSEO対応の機能や特徴が豊富に搭載されています。画像のサイズを最適化したり、サイトマップを最新の状態に保ったり、ウェブサイトを多言語に翻訳したりする必要があっても、Drupalなら問題ありません。
これが、Acquia DXPがDrupalで構築されている理由です。私たちは、世界中で最も優れたSEO対応のコンテンツ管理システムと、コンテンツの制作をスピードアップし、マーケティングワークフローを改善する機能を組み合わせることで、コンテンツとデジタル体験の大規模な管理を実現します。このチェックリストに従えば、どんなDrupalウェブサイトでもSEOを改善することができるでしょう。詳しくは、こちらより無料デモをお試しください。