Acquia Cloud Nextの既知の問題
本記事は Known issues in Cloud Next の抄訳記事です。
Acquia Cloud Next(以下、Cloud Next)の既知の問題を解説します。Cloud Platform全般とCloud Classicに適用される既知の問題については、Known issues in Cloud Platform、Known issues in Cloud Classicを参照してください。
注意:本記事に記載されている回避策を適用することに加えて、Cloud Nextの準備のために追加の変更を行う必要があります。
エンドツーエンドの暗号化の未サポート
Cloud Nextはエンドツーエンドの暗号化機能をサポートしていません。したがって、エンドツーエンドの暗号化を引き続き使用するには、Cloud ClassicからCloud Nextにアップグレードしないでください。
10分以上かかるWebリクエストが中断される
Cloud Nextのアプリケーションでは、10分以上かかるWebリクエストは、定期的なプラットフォームのメンテナンス活動によって中断される可能性があります。
2つの日次バックアップ
Cloud PlatformのUIには、同日に2つの日次バックアップタスクが表示されることがあります。
環境間でファイルをコピーできない
環境間でファイルをコピーしようとすると、次のようなエラーが表示されることがあります。
rsync: change_dir "/mnt/source/mnt/data/[UUID]-real-shared/sites/[SITENAME]/files" failed: No such file or directory (2)
アクイアが解決策を提供するまでは、ファイルのコピーについてはアクイアサポートにお問い合せください。
HTTPレスポンスヘッダが8KBを超えると「End of script output before headers」エラーが発生する
Cloud Nextでは、HTTPレスポンスヘッダに8KBの制限を設けています。HTTPヘッダを使用する場合は、ヘッダサイズがこの制限を超えないようにしてください。例えば、次のように使用することでこの制限が発生する可能性があります。
- デバッグヘッダを出力するように設定されたAcquia Purgeモジュール
- X-Content-Security-Policyヘッダを出力するように設定されたSecurity Kitモジュール
Cloud Nextでは、Cloud Classicと比較してファイルコピー作業に時間がかかる
Cloud Nextのファイルコピー操作は、Cloud Classicと比べて時間がかかります。これは、ファイルがまず本番環境から中間のODE(オンデマンド)環境にコピーされて、次に移行環境にコピーされるためです。コピー操作が完了すると、システムはODE環境を削除し、移行環境のみを保持します。移行プロセスのこの追加ステップにより、より多くの時間を消費します。
Cloud hooksが実行されない
Cloud Next環境からCloud Classic環境にファイルもしくはデータベースをコピーすると、Cloud hooksが実行されません。
アクイアが解決策を提供するまでは、アクイアサポートまでお問い合せください。
Cloud Nextにおけるmod_headersの動作変更
Cloud Classicでは、.htaccessファイルのmod_headersディレクティブはPHPとDrupalのリクエストでは無視され、静的ファイルにのみ適用されます。しかし、Cloud Nextでは、.htaccessファイルのmod_headersディレクティブは適用されます。その結果、アプリケーションが意図しない挙動となる可能性があります。mod_headersがどのように使用されているか、.htaccessファイルの中身を確認することを推奨します。
静的IPからのログ転送の未サポート
現在、Cloud Nextでは静的IPからのログ転送(Log Forwarding)をサポートしていません。
MySQL 5.7の機能と互換性がない
Cloud Nextは、AWSのAurora MySQLを利用しています。MySQL 5.7の機能の一部はCloud Nextではサポートされていません。詳しくは、未サポートのMySQL 5.7の機能一覧のページをご覧ください。
定期ジョブは、ハードコードされたログのパスを使用できない
Cloud Nextでは、定期ジョブ(scheduled jobs)やCronジョブは、ハードコードされたログのパスを使用することはできません。
ローカルにインストールしたMySQL WorkbenchでCloud Next環境に接続できない
MySQL Workbenchがローカルにインストールされている場合、Cloud Next上の環境に接続できないことがあります。この問題は、MySQLのいくつかのバージョンで発生します。
ただし、Sequel Proをローカルで実行している場合には影響はありません。
MySQL WorkbenchからCloud Next環境に接続する際に問題が発生する場合は、以下の手順を試行してください。
- Cloud UIの各環境のDatabasesメニュー上に掲載される、データベースの認証情報を確認します。
- PCのターミナルで次のコマンドを実行します。
{ssh -L $LOCAL_PORT:$DB_HOST:3306 $SSH_STRING}
LOCAL_PORT
:Workbenchがlocalhostを使用する際に接続するポートです。DB_HOST
:Cloud UIから取得したホスト名です。SSH_STRING
:Cloud UIから取得した接続文字列です。例:user@something
コードのデプロイが長くなる
Cloud Nextの環境では、コードのデプロイに5分以上かかることがあります。
PHPファイルのアップロードサイズを増やすことができない
現在、PHPファイルのアップロードサイズの値は、Cloud UIで利用可能な制限を超えて増やすことはできません。Cloud Nextの最大サイズは256MBです。
回避策として、以下の方法があります。
- DropzoneJSモジュール(分割アップロード機能のパッチがあります)を使用します。詳細については、ファイルアップロード処理にコントリビュートモジュールを使用するを参照してください。
- DrupalのUIを介して、ソフトウェアの次バージョンの小さなダミーファイルをアップロードします。その後、SSHまたはSFTPでAcquia Cloudのサービスにアクセスし、元のダミーファイルを置き換えて実際のファイルをプッシュします。このプロセスにより、Drupalでファイルを参照し、Drupalの設定に応じて視覚的に利用できます。
memcache_adminと互換性がない
Drupal 7の場合:memcache_adminモジュールは、memcacheインスタンスのステータスを正しく報告しません。累積統計、使用可能メモリ、エビクションがゼロとして報告されます。
Drupal 9以降の場合:memcache_adminモジュールがステータスを正しく報告しない場合、最新バージョンにアップデートしてください。