誰もが利用しやすいソフトウェア構築への歩み
アクイアのバリューとカルチャーの中心は多様性の尊重(インクルージョン)です。それは、卓越したカスタマーサービス、チームメイトへの敬意、そして高品質なソフトウェア構築へのコミットメントに反映されています。
すべてのユーザーが利用しやすいデジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(DXP)の構築に対する私たちの取り組みは、多様な価値観とそれを尊重する私たちの企業カルチャー、考え方の延長線上にあります。これは私たちにとって極めて重要なものであるため、組織全体でアクセシビリティ基準を満たすための取り組みについて詳しくご紹介したいと思います。
アクセシブルなソフトウェアは誰にとってメリットがあるのか?
アメリカの成人の4人に1人(6,100万人)が何らかの障害を持っており、ソフトウェアを含むバリアフリーな製品やサービスは、彼らのニーズを満たすことができます。さらに、バリアフリーを念頭に置いた設計は、すべての人にとってより良い環境を作り出します。例えば車椅子用の縁石は、ベビーカーを押している人、ローラーブレードをしている人、ジョギングをしている人にも助けとなるでしょう。また、近づくと自動的に開くガラスドアは、買い物袋を運ぶ人や荷物を配達する人にとって大変便利です。
究極的に、使いやすいソフトウェアはどんな人にも恩恵をもたらす
同じことがアクセシブルなソフトウェアにも当てはまります。腕の骨折のような一時的な障害を持つ人々を助けることができる場合もあるでしょう。また、光や音が届きにくいといった制限的な状況を考慮することもできます。また、さまざまなデバイス、画面サイズ、入力モードを使用する人々のために、モバイルの応答性も重要です。究極的に、利用しやすいソフトウェアはどんな人にも恩恵をもたらすのです。
アクイアが大事にしたいこと
アクイアのアクセシブルなソフトウェア設計への取り組みは、2016年にユーザー・エクスペリエンス(UX)チームを発足させ、製品のユーザビリティを向上させる研究ベースの戦略を立てることから本格的に始まりました。
それ以来、UXチームは製品・サービスデザインチームへと拡大し、製品およびエンジニアリング部門と提携して、すべてのユーザーのニーズを満たす終始一貫したエクスペリエンスの提供に取り組んでいます。
デザインとは常に人間のニーズに立ち返るものであり、今日のデジタル・エコシステムにおいては、ユーザビリティとアクセシビリティの両方に焦点を当てた包括的なエクスペリエンスの提供ほど重要なことはありません。アクイアのプロダクトデザイナーは、ソフトウェアのライフサイクルを通じ、すべてのユーザーのニーズを満たすデザイン要件を提唱し、それを具体化しています。
エクスペリエンス提供プロセスにおけるアクセシビリティ
2019年にデザイン、製品開発、品質保証、マーケティング、学習サービス、カスタマーサポートから代表者を集めた、部門横断的な委員会を設立しました。この委員会は、共感生成や成功事例の共有に重点を置いています。
ワーキンググループ: 研究開発部門内には、アクセシビリティに焦点を当てた業務を共同で実施することを目的として、エンジニア、デザイナー、プロダクト・マネージャーのグループが定期的に会議を行っています。AA規格に向けた取り組みをさらに把握するため、これらのグループは製品アクセシビリティ自主評価表(VPAT)を作成しています。この自己評価ツールにより、テスト時のコンプライアンス状況の詳細を知ることができます。
テスト: アクセシビリティの進捗とコンプライアンスは、axe、Siteimprove Accessibility Checker、Google Lighthouseなど、さまざまな監査ツールを使用して定期的に測定されています。アクイアのプラットフォームは常に更新されているため、すべてのアプリケーションのコードは、ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(WCAG)2.1 AAと同様、これらの規格に準拠しています。
我々のテストプロセスには、VoiceOverのようなスクリーンリーダーの使用や、視力矯正メガネ、様々なモバイルデバイスのようなハードウェアの使用も含まれます。当社の品質保証(QA)テスト・エンジニアは、自動テスト、単体テスト、手動テストと同様、これらすべてのツールを使用して新規開発が確実にアクセシブルであることを検証しています。
デザインシステム:私たちのデザインシステムは、製品の体験の基礎となるものです。このシステムは、私たちのデザインをより多様な人たちに受け入れられるようなものにし、新機能がアクセシビリティ基準に適合しているかを確認するプレッシャーテストとして機能しています。
社内チームは、コンプライアンスを確認するためにデザインシステムを参照します。あるコンポーネントが失敗した場合は、その機能をプラットフォームにリリースする前に追加作業を行う必要がある、というシグナルになるのです。
スタッフ・ソフトウェア・エンジニアのアナ・ヴォは、次のように説明します。「このデザインシステムによってコンポーネントを共有できるようになったため、チーム全体でアクセシビリティを向上させる大きな原動力になりました。コンポーネントが更新されるとすぐに、他のアプリケーションも新しいバージョンに更新できるのです」。
最近のパターンライブラリの監査により、ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドラインに適合するよう、プラットフォームのチェックボックス、日付ピッカー、その他の機能が更新されました。
アクイアのウェブサイト: 動画の字幕表示や、より分かりやすい画像の代替テキストなど、サイト全体にアクセシビリティ機能を追加しました。アクセシビリティに関する声明では、アクセシビリティへのコミットメントと目標を表明しています。
内部から共感を築く
アクセシブルなソフトウェアの構築は、規格やツールに依存していますが、実際には違いを受け入れ、尊重し、ユーザーに共感し、多様性に配慮する社風から始まります。新入社員は、アクセシビリティの成功事例へのアクセスや、アクセシビリティ指向の教材を定期的にシェアされることから始まります。
継続的なアクセシビリティのトレーニングは、ランチを食べながら学ぶミーティングや、コグニション・キッチン(全社的なプロジェクトを共有するために定期的に開催される情報共有プログラム)のような特別な社内イベントを通じて行われています。これは、チームの取り組みについて全員が学ぶ機会を提供するものです。
AAへの準拠
アクセシビリティとは、インクルージョン、人間のためのデザイン、そして行動やニーズが時間とともにどう変化していくかということだと私たちは考えています。それは、テクノロジーがより簡単にタッチで操作できるようになったり、音声で操作できるようになっていく中で、将来を見据え豊富な機能を維持することです。
この考え方は、すべてのアクイア製品をWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2 AA標準に完全に準拠させるという取り組みの原動力となっています。この目標を確実に達成し、私たちのソフトウェアがすべての人にとって最高の体験となるよう、既存のアクセシビリティプロセスとプログラムを継続的に構築していきます。
アクセシビリティに関する声明をお読みいただき、アクセシビリティに対するアクイアの取り組みについてもっとお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
注:この記事は2019年12月に掲載されたものであり、最新の情報に更新されています。