マーテックの技術を学ぶ7つの方法
新しいマーケティングテクノロジー(マーテック)ツールをすべて把握するのはほぼ不可能でしょう。2023年の ChiefMartech マーケティングテクノロジーランドスケープには11,038のソリューションが掲載されており、前年比で11%増加しています。
これらすべてのテクノロジーの機能と利点を理解することは(控えめに言っても)膨大な量になりますが、それでも学ぶことを優先することはできると思います。優れたマーケティングテクノロジストは、新しいシステムやテクノロジーを試してみたり、マーテックのトレーニングを受けたり、専門家と話したりする習慣を身につけています。
テクノロジーの最先端を行く
我々を進化させてくれるテクノロジー・スタックをマッピングするたびに、未来はその姿を変えていくかのようです。人工知能(AI)、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、モノのインターネット(IoT)、自動運転など、これまで浮上していたテクノロジーはもはや夢物語ではありません。すでに現実に存在しています。では、常に動き続けるテクノロジーの先を行くにはどうすればいいのでしょうか?
日常的な問題を解決するための確固たるベースとなるテクノロジーから着手し、次に注目されるであろうテクノロジーへの準備をすることができます。つまり、アカウントベースマーケティング(ABM)ソリューションを購入して、B2B のマーテックスタックを強化したり、あるいは、より適切な顧客体験を創造するために、顧客データプラットフォーム(CDP)を導入したりすることです。こうしたソリューションの人気はますます高まっており、Acquia DAM(Widen)のようなデジタル資産管理(DAM)と製品情報管理(PIM)ソリューションを組み合わせれば、適切なコンテンツを適切な顧客に適切なタイミングで届けることができるようになります。
一見簡単そうに聞こえますが、実際にはそうではありません。たとえ "完璧な "テクノロジー・スタックを使っても、常に学び続けながらマーテックのスキルを磨いていかなければなりません。つまり、マーテックの知識習得を優先する必要があるのです。
そのための7つの方法をご紹介します。
1. 機械学習と AI を使いこなす
新しい AI や機械学習(ML)ソリューションが毎日のように登場しています。これらのテクノロジーは、あなたのコンテンツがアクセスしやすく、検索に最適化されるように alt テキストを生成することから、ターゲティング改善のためのオーディエンスクラスタを生成することまで、あらゆることを可能にします。しかし、ご心配には及びません。AI があなたの仕事を奪うまではいきませんが、AI がどのように機能するかは学ぶ必要があります。カスタマーエクスペリエンスは、もはや人間の手に負えないほど複雑になってきています。機械学習を導入すれば、流れの中で欠けている部分を見つけることが可能になります。機械学習はデータをつなぎ合わせ、人間では引き出せないようなパーソナルな体験を提供する機会を示してくれるのです。
機械学習が活用されている良い例の一つは、協調フィルタリングと呼ばれるプロセスです。これは、ユーザーのレビューや製品の購入に基づいて、似た嗜好を持つユーザーに関連するコンテンツや製品をおすすめする方法です。このアプローチが効果的な機械学習を搭載した CDP によってサポートされていると、「次に最適な」機械学習モデルを使用し、次に最適なチャネル、アクション、またはコンテンツを提案します。例えば、顧客が E メールに反応しないことを検出し、パーソナライズされたディスプレイ広告のような、顧客にアプローチするための次善のチャネルを提案することができるのです。
2. チームのために最新のテクノロジーを導入する
AR と VR が革命的な技術として語られるようになってから10年近くが経とうとしていますが、両者の可能性はまだ未知数です。AR 機能を備えたスマートグラスの市場は技術的にまだ未成熟であり、コンテンツも充実しておらず、高額です。VR についても同様、観光、教育、スポーツ・フィットネス業界への進出は始まっているものの、足場が固いゲーム分野を除けばコンテンツはまだ少ないのが現状です。
そのためには、VR や AR デバイスに積極的に投資し、それを使うようチームに勧めるのは賢い選択でしょう。どんな風に動くのかを見て、顧客体験はどんなものなのか、そしてそこにチャンスはあるのでしょうか。あなたの企業で、これらの成熟しつつあるテクノロジーをどう活用できるか想像してみてください。Apple の Vision Pro を買う必要はありません。アマゾンでスマートフォンに対応したヘッドセットが手に入ります。
3. 専門家を招いて朝食会を開く
これは私が一番気に入っている学習方法のひとつです。技術系の同僚や未来志向の友人を朝食に招待し、彼らの技術哲学や将来のビジョンについて尋ねてみましょう。もし彼らが遠くに住んでいる場合や職場が離れている場合は、代わりに Zoom のスケジュールを組みましょう。自分で用意するのは簡単な朝食とコーヒーだけ。彼らのマーケティングオートメーションの活用方法を聞いて、あなたの戦略全体を変えるような新しい発見があるかもしれません。
多くの新しい言葉に触れたり、特に未来志向の友人がブロックチェーンの内部動作について話し始めたりすると、それが顧客に対してどのような恩恵を提供できるかが気になるかもしれません。ひとまずメモを取っておいてください。最初は理解できないこともあるかもしれませんが、後で応用できる新しい知見を得られることでしょう。
4. 無料体験、デモ、アプリを試してみる
開発者のサンドボックスにアクセスし、無料トライアルを受け、新しいアプリをダウンロードし、試してみる時間を作りましょう。何が構築できるかを確認し、それが顧客体験にどのような影響を与えるかを想像してみてください。Drupal のデモインストールを試してみて、それがコンテンツ管理に関するあなたのチームの課題を解決してくれるかどうか確かめてみても良いでしょう。マーテック・ソフトウェアの基本を学ぶのに十分なトレーニングは必要ありません。ただ使ってみて、何ができるかを見てみるだけでいいのです。
実際、トレーニングは後回しにしても構いません(これも学ぶ方法の一つ)。まずは遊びとして活用し、日常の仕事から少し離れてリフレッシュしましょう。どこから始めれば良いか分からない場合は、 PayPal が買収したショッピングアシスタントの Honey Smart(英語サイト) をダウンロードして、どんな新しいショッピング体験が可能か見てみてください。 もし AI がより多くの売上を促進し、顧客満足度を高めるのに役立つとお考えなら、Chatscout(英語サイト) をチェックしてみるのも良いでしょう。
5. マーテック・トレーニングと資格取得を目指す
ベンダーによっては、高度なマーテック・トレーニングや認定プログラムを提供しているところもあります。これは、その特定のテクノロジーに関する大学の学位のようなもの。例えばアクイアは、Drupal とアクイアのトレーニングと認定試験を提供しています。このような資格を取得することで、あなたはチームにとってより貴重な存在となり、キャリアアップの階段を上ることができるでしょう。
大学レベルの認定コースに申し込む方法もあります。MIT Sloan は、人工知能に関する6週間のオンライン認定コースを提供(英語サイト)しており、AI のビジネス戦略への影響について学ぶことができます。現時点では、チームのプロジェクト管理ツールを徹底的に学ぶ方が現実的かもしれません。その場合は、Asana が提供する無料のコースに参加すれば、最適な使い方を学ぶことができます。
6. イベント、カンファレンス、ミートアップ、スピーカー、ユーザーグループ
マーテック関連のイベントに定期的に参加しましょう。直接マーテックの関係者から学ぶことで、常に最新の情報を得ることができます。技術系の朝食会、講演、毎月開催されるミートアップ、ベンダー主催のカンファレンス(当社の Acquia Engage のようなもの)は、手始めとしてうってつけです。もし身近に興味深いカンファレンスがなければ、バーチャルなカンファレンスもあります。マーケティング・テクノロジーのエキスパートに触れたい場合は、The MarTech Conference(英語サイト)をチェックしてみてください。
また、地域のユーザーグループを利用すれば定期的にマーテックのプロと交流し、コミュニティの一体感を感じ、かつすぐに役立つ情報を収集することができるため有益でしょう。独立したユーザーやソフトウェアプロバイダーが主催するユーザーグループを捜してみてみましょう。例えば、Acquia DAM を使用しているのであれば、世界中の Acquia DAM ユーザーをつなぐDAM ユーザーグループ(英語サイト)がおすすめです。
7. Google アラートを設定し、インフルエンサーをフォローする
「DAM の新しいインテグレーション」、「マーケティングのためのマシンラーニング」、「VR リテールエクスペリエンス」などの用語を Google アラートに設定しましょう。これらのアラートが、後々どれほど便利か驚かれるかもしれません。アラートを使えば、簡単かつ効果的に重要なニュースを追跡することができます。また、MarTech カンファレンスの議長であるスコット・ブリンカーをまだフォローしていない場合は、ぜひ LinkedIn で検索してみてください。
自分ひとりでも多くのことを学べますが、チームとして行うことで、より多くのことを学ぶことができます。発見したことを他の人たちと共有し、彼らの発見を一緒に喜びましょう。学ぶことを企業カルチャーの一部にすれば、テクノロジーの変化は解決すべき問題ではなく、成長するチャンスになるのです。
学習をチームカルチャーの一部にする
せっかくの知識も、しっかりとしたカルチャーの土台がなければ、あまり役には立ちません。M.A.R.T.E.C.H. のコンピテンシー・フレームワークを採用している人なら、「カルチャー」がいかに重要であるかをご存じだと思います。企業カルチャーは、従業員にやるべきことのリストを送りつけ、チェックボックスにチェックさせることで生まれるものではありません。人々が純粋にワクワクすること、そして得たものを有益な行動に移すための行動を見本として示し、奨励することから生まれるものなのです。
そのためには多くの価値観に耳を傾ける必要があります。例えば、アカウンタビリティ(説明責任)が挙げられます。機械学習のコースを受講したら、その新しい知識を自分の仕事に応用する責任があります。また、チームと共有することも重要です。社内での勉強会などで、学んだことを社内で共有するのです。
他の人にとっても価値あるものにするためには、以下の価値観が挙げられるでしょう。
- 誠実さ: 新しいアイデアを実行するときは、フォローアップを行い、それがうまくいってもいかなくても、特に他部門に波及するような変更であれば自分の責任範囲とする
- 分散化: マーケティングチームは、官僚主義では生き残れない。問題に対して最も近いところで判断を下し、時には迅速に決断を下す必要がある。制限的なプロセスを経ずに選択できるよう、チームに権限を与える
- 反省と評価: チーム全員と明確かつ一貫したコミュニケーションをとる。このような継続的なフィードバックサイクルは、新しいアイデアを生み出し、信頼を生み出す
- 透明性: 適切な人に適切な方法で情報を提供する。社内の全員に一度だけメールを送り、彼らがそれを読むと思い込まないこと。こうすることで、乗り越えなければならない課題があるときやミスを犯したときに、社内のサポートが得られる
テクノロジーが充実し、マーケティングチームが健全な学習文化を持つようになると、自分の役割とは何だろうと考える日が来るかも知れません。そこで、M.A.R.T.E.C.H. の「H」が登場します。
マーテックのヒーローを作る
あなたには多くの責務がありますが、重要なのは他者を "ヒーロー "にするためのテクノロジーを確保することです。これは、あなたがマーケティング・テクノロジストとして一目置かれるための重要な行動のひとつです。
例えば、E メールマーケティングの担当者がマーテックカンファレンスで何かを学び、実行するためにあなたの助けを求めているとしましょう。あなたはそのアイデアを実現するために変更を加え、6ヶ月後には E メールの収益が300万ドル増加したとします。スポットライトを浴びるのは誰でしょうか?E メールマネージャーです。あなたもその一員ですが、彼らの前に立ってはいけないのです。
他者を主人公にすることで、学びの健全なカルチャーが育まれます。チームが新しいことを学び、それを持ち帰り、成功へと導くことができれば、そこで信頼関係が生まれます。その信頼は集団としての勢いにつながり、技術の最先端を走り続けることになるでしょう。すべての問題を解決したり、完璧なテクノロジースタックを構築したりすることは決してできません。しかし、常に変化し続けるデジタルを見据え、共に学び、常に進化し続けることは可能です。
コンテンツ、アプリケーション、キャンペーンを効率的に管理できる統合デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム(DXP)で、常に進化するマーテックを先取りしましょう。急速に進化するマーテックの現場で求められる俊敏性と柔軟性を Acquia DXP がどう実現しているかについては、こちらをご覧ください。