導入事例

小野薬品工業

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Ono pharma case study background
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以上のサイトをAcquia Cloud Platform上で運用

要約

Situation

小野薬品工業は、医薬品そのものを提供するだけでなく、ウェブサイトやモバイルアプリを通じた情報面をサポートすることで、患者さんやそのご家族、医療従事者のデジタルエクスペリエンスの向上に取り組んでいます。

Challenge

同社は国内外の複数のウェブサイトを包括的に管理・運用できるセキュアなデジタルインフラを導入しウェブサイトをリニューアルしたいと考えていました。

Our Solution

Acquia Cloud Platform, Acquia Edge, Acquia Personalization, Acquia Campaign Studio

Results

2020年12月に、同社は医科向けのWebサイトをはじめとする5つのサイトをローンチしました。現在までに、患者さん向けのサイト、医療従事者の方向けのサイトやコーポレートサイトを国内のみならず、米国、英国、韓国、台湾などの現地法人サイトを含むグローバル20以上のサイトがAcquia Cloud Platform上で運用されています。

クライアント

小野薬品工業は1717年に日本で創業された製薬会社で、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと医薬品の研究開発、製造販売を行っています。代表的な製品である「オプジーボ」は、抗がん薬として国内トップクラスの売上を誇っています。

背景

同社はデジタル・ITを活用することによってダイナミック・ケイパビリティの高い企業となることを目指しており、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって患者さんやそのご家族、医療従事者のデジタル体験価値を向上するために、医薬品そのものだけではなく、Webサイトやモバイルアプリによる情報提供を通じて患者の方をサポートする取り組みを推進したいと考えていました。

この取り組みを推進するために、同社は国内外の複数のWebサイトの管理・運用を包括的に実行できるセキュアなデジタル基盤を採用してWebサイトをリニューアルするプロジェクトを、同社のパートナー企業であるSCSKと共に発足しました。

SCSKは日本の大手SIer企業の一つで、Webサイトが本来持っている効果や訴求力を最大限に生かすために、コンサルティングから開発・構築、保守・運用までをフルラインでサービス提供しており、数多くの大規模なWebサイトリニューアルを推進してきた実績があります。

課題

小野薬品がWebサイトリニューアルを実施した背景には、大きく3つの課題がありました。

1つ目は、セキュリティガバナンスに対する課題でした。同社は以前から、患者さん向けのWebサイト、医療従事者向けのWebサイト、コーポレートサイトなど複数のサイトを運用・公開していましたが、そのシステム基盤は全て異なっており、構築をしているベンダー企業もそれぞれ異なっていたため、各サイトのセキュリティレベルを把握することは難しい状況にあり、セキュリティ対応に関しては万全とは言いきれない状態でした。同社のIT部門にとってWebサイトのセキュリティガバナンスを強化することは課題となっていました。

2つ目は、サイトアクセスが急増した際に柔軟に対応できるシステムと体制を整えることでした。抗がん薬「オプジーボ」を開発した本庶佑・京都大学特別教授が2018年にノーベル医学生理学賞を受賞された際、同社のサイトアクセスは急増しました。当時、オンプレミスで運用されていたWebサイトは急激なアクセス数の増加に柔軟に対応することができなかったため、IT部門はインフラリソースの拡張が柔軟にできるスケーラビリティを備えたクラウドベースのデジタル基盤の導入が必要だと感じていました。

3つ目は、Webサイトの運用効率を改善することでした。リニューアル前のWebサイトはHTMLで構築していたため、些細な修正を行う場合でも外部ベンダーに依頼をし、確認をしてから公開する必要がありました。そのため、情報の更新頻度が高い同社のWebサイト運用には多くの時間と労力がかかっており、業務を行う部門からも改善を求める声が上がっていました。

同社はこれらの課題を解決するために、IT部門がセキュアにWebサイトの管理ができるCMSソリューションを採用して業務部門の運用効率を改善することが必要であると考え、SCSKと共にWebサイト基盤の選定をはじめました。

ソリューション

小野薬品とSCSKは様々なソリューションを検討した結果、Acquia Cloud Platformを採用してWebサイトリニューアルのプロジェクトを実行することに決めました。

このプロジェクトにおけるビジネスゴールは、システム面では「セキュリティとシステム運用の効率化のためのアクイア基盤への統一をすること」、業務面では「編集局(業務のアウトソーシング)を前提として効率化するためのコンテンツ管理の仕組みの実現をすること」でしたが、強固なセキュリティとスケーラビリティを備え、ワークフロー機能によって運用の仕組み化が実現できるアクイアのプラットフォームはリニューアルで必要とされていた要件を満たしていました。

成果

2020年12月に、同社は医科向けのWebサイトをはじめとする5つのサイトをローンチしました。現在までに、患者さん向けのサイト、医療従事者向けのサイトやコーポレートサイトを国内のみならず、米国、韓国、台湾など現地法人サイトを含むグローバル20以上のサイトがAcquia Cloud Platform上で運用されています。

Acquia Cloud Platformを採用したことで、小野薬品のWebサイトにおけるセキュリティリスクは低められ、運用コストも削減できるようになりました。かつてはメールで依頼していたコンテンツの修正依頼も、プラットフォーム上のワークフローを活用することでスピーディーに依頼・確認ができるようになりました。また、修正依頼をした人や、修正内容の履歴を確認することができるようになったことで、医薬品の性質上、地域によって開示する情報を正確に管理することが求められる同社のコンテンツガバナンスも承認のワークフローによってしっかりと行えるようになりました。

また、セキュリティ強化のためのAcquia Edge、パーソナライズのためのAcquia Personalization、マーケティングオートメーションのCampaign Studioも導入しました。パーソナライズ機能によって、サイトを訪問した医師の診療科に応じたコンテンツの出し分けをしたり、マーケティングオートメーションによって医師の方へ向けたメールをシナリオ化して配信したりと、デジタルマーケティング施策をスムーズに実行できるようになりました。

同社はこの2年間で10以上の新たなWebサイトを公開していますが、Webサイトを新たに構築する際のプロセスを標準化することで、子会社の設立にあたってWebサイトを立ち上げる際に、3ヶ月ほどでサイトローンチができるようになりました。また、セキュリティ対策が万全になされていたことで、予期せぬサイト攻撃を受けた際にも、情報が漏洩したり、サイトが改ざんされたりすることはありませんでした。

また、オープンソースDrupalを基盤として構築されているAcquia Cloud Platformは適切な権限を付与することで、他のDrupal構築ベンダーもサイト構築ができる仕様になっており、特定の部門や地域のサイトを構築する際にローカルベンダーのサポートを受けることができるようになっています。

同社はオープンソースDrupalのメリットと、Acquia Cloud Platformのもつ堅牢なセキュリティ、柔軟なスケーラビリティ、ワークフローによるコンテンツ管理業務の効率化など多くのメリットを感じており、今後もデジタル体験価値を向上するためにAcquia Cloud Platformを活用していく予定です。

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