INSEAD

クライアント

INSEAD はグローバル規模のビジネススクールです。ヨーロッパ、アジア、中東、そして北米と、INSEAD のビジネス教育と研究は 4 つの地域にまたがっています。世界 41 カ国から集まった 165 名の著名な教授陣が、MBA、グローバル・エグゼクティブ MBA、特別修士号（エグゼクティブ・マスター・イン・ファイナンス、エグゼクティブ・マスター・イン・チェンジ）、博士号プログラムにおいて、毎年 1,300 名以上の学位取得者を輩出。また、毎年 11,000 人以上のエグゼクティブが INSEAD のエグゼクティブ教育プログラムに参加しています。

背景

デジタル体験の全体的な強化、エンゲージメントの向上、ブランド・アイデンティティの強化を望んでいた INSEAD。彼らはよりスピーディで効率的、かつ統一されたデジタル・プラットフォームで組織を強化し、テクノロジーとビジネス戦略を連携させることで、成長と成功の促進を新しいウェブサイトに求めていました。

課題

デジタル・エクスペリエンスを最適化する過程で数多くの課題に直面しました。

• 各部門がそれぞれ独自のインスピレーションを持っていたため、ビジョンを一元化する必要があった
• 以前のアーキテクチャは自動化ソリューションとの互換性がなかったため、約 3,000 ページを手作業で移行する必要があった

ソリューション

INSEAD は Srijan と共同で、複数の主要分野に焦点を当て、より魅力的で一貫性があり、効果的なデジタルプレゼンスを構築するプロジェクトを開始。これにより、成長と成功を促進するためのビジネス戦略にテクノロジーを調和させることができました。

レガシー環境から Drupal への移行：レガシー環境から Drupal への移行は、サイトパフォーマンスの中断を最小限に抑え、構造化コンテンツと非構造化コンテンツの両方を変更せずに移行する必要がありました。INSEAD はシームレスに Drupal に移行し、現在は単一のコードベースを使用しています。新しいブランドのオンボーディングを容易にするためにコアプロファイルを設定し、マルチサイトのセットアップとコンテンツの移行は可能な限り効率的に行われました。

高度な検索機能を実装：より強力で効率的な検索エクスペリエンスを提供することで、サイトのユーザビリティ、ユーザーエンゲージメント、満足度を向上させたいと考えていました。そこで彼らは、高度なプログラム検索を通じて入学希望者を誘導する、適応性が高くかつパーソナライズされたジャーニーを構築しました。

サードパーティプラットフォームとの統合：INSEAD のウェブプラットフォームをセールスフォース、Magento、Blackthorn、Kaltura、AKADEMIA、Eventbrite、Qualtrics と統合し、ユーザーの行動を収集し、Tealiumの統合を活用して精巧なユーザージャーニーを作成しました。さらに、Eloqua フォームのネイティブ実装によるマーケティングオートメーションや、REST API コンテンツでモバイルアプリケーションにデータを供給するハイブリッドアーキテクチャを導入。また、外部システムとの自動統合によって編集工程を合理化し、Paddix との統合でモバイルアプリケーションでのコンテンツプッシュを強化しました。

ブランド要素の統一： ブランドアイデンティティを強化し、統一感を持たせることで、様々なデジタルのタッチポイントに一貫したイメージを与える必要がありました。Srijanは、100 以上の再利用可能なコンポーネントを含むコンポーネントライブラリを構築し、そのリポジトリを Drupal の外にあるスタンドアロンの Storybook に集約しました。

充実した編集エクスペリエンス：コンテンツのワークフローを最適化し、コンテンツの作成、管理、編集の効率と効果を向上させたいと考えていました。イベント、フォーム、プログラムの作成を一元化し、コンポーネントを再利用してフォームの数を 250 から 30 に減らすことで、バックエンドのエクスペリエンスを改善。クリエイティブなダッシュボードと戦略的なコンテンツテンプレートを実装し、コンテンツの構造化、カスタマイズ可能なレイアウト、メディア管理の改善を実現しました。さらに、編集ワークフローが簡素化されたことで、コンテンツ作成者は最小限のステップで公開ができるようになり、再利用可能なコンポーネントがコンテンツの公開にかかる全体的な時間を短縮しました。

よりスムーズな読み込みとアニメーション効果：ユーザーエクスペリエンスを向上させ、直帰率を下げるため、Srijan はウェブサイトのデザイン強化をサポート。その結果、改善されたウェブサイトは、トラフィックとコンバージョンの高い有効性を示すパフォーマンス指標を満たしました。

さらに、プラットフォームの刷新プロジェクトの一環として Acquia BLT を使用。これにより初日からデプロイのセットアップが可能になり、セキュリティの標準化、簡単な BLT コマンドによるスクリプトの簡素化が実現しました。導入後すぐに使える OOTB (out-of-the-box) レシピを使用することで、設定にかかる時間を 60-70% 節約。PHP Code Sniffer を使用してコーディングの標準化を実施し、BLT 経由で phpstan を使用してパフォーマンスを最適化しました。そして、BLT をデータとファイルの同期に活用しデータのサニタイズを行うことで、プライバシー侵害のリスクを回避。サーバーなしで開発チームがデータベースにアクセスできるようにしました。

アクイアのマルチサイト機能により、複数サイトのホスティングが可能になり、コスト効率とメンテナンスの簡素化が実現。また、Acquia Cloud Platform の統合されたデプロイメント・パイプラインは、開発チームが DevOps リソースを追加することなくCI/CD（継続的インテグレーション/継続的デリバリー）の確立を可能にし、迅速性と対応力を高めました。 Acquia Cloud Platform のリバースプロキシ・キャッシング機能は、より高速で優れたユーザーエクスペリエンスを提供するというパフォーマンス KPI の達成をサポートしました。そして Acquia Search のシームレスな連携は、INSEAD の学生が自分に合ったアカデミックプログラムを見つけることができるよう、柔軟でパーソナライズされた検索エクスペリエンスの構築を可能にしました。

結果

INSEAD の指標によれば、新しいプラットフォームの成果は目標値を上回っています。

First Contentful Paint (FCP)

• 計画目標値：2 秒
• 実測値：0.74 秒
• 結果：目標より 1.26 秒短縮
   

検索エンジン最適化（SEO）

• 計画目標値：80 以上
• 実測値：90 以上
• 結果：目標を 12 %上回る達成率
   

パフォーマンス

• 計画目標値：80 以上
• 実測値：95
• 結果：目標を 15％ 上回る達成率
   

アクセシビリティ

• 計画目標値：80 以上
• 実測値：94
• 結果：目標を 14 ％上回る達成率
   

Largest Contentful Paint (LCP)

• 計画目標値：2秒
• 実測値：1.38 秒
• 結果：目標より 0.62 秒短縮
   

ベストプラクティス

• 計画目標値：80 以上
• 実測値：88
• 結果：目標を 8 ％上回る達成率
   

Cumulative Layout Shift

• 計画目標値：0.1 秒
• 実測値：0.1 秒
• 結果：目標を維持
   

ビジネス面では、プラットフォームの再設計によりすべての関係者のユーザー・ジャーニーが合理化。教員は、ユーザー・アクセス管理によって、受賞歴、出版物、経歴などの特定のコンポーネントを使用してログインし、プロフィールを管理することが可能になりました。セールスフォースとの連携で、さまざまな部署がプログラムのメタデータを一元管理できるようになり、作業が簡素化。また、Drupal ウェブフォームと Eloqua の連携によって、マーケティングチームは開発者に依存することなく新しいマーケティングキャンペーンを追加できるようになりました。