クライアント
サンフランシスコ大学(USF)は、サンフランシスコの中心部に位置するイエズス会系のカトリック名門都市大学であり、10,000人以上の大学院生と学部生が在籍。その崇高な使命は、不公平に対処し、より人間的で公正な世界を創造することによって公益を促進するという、今日多くの人々が共有している願望と共鳴しています。
背景
他の大学と同様、パンデミックにより、USF もリモート募集に頼ることになりました。しかし、USF のウェブサイトにはその内容がうまく取り入れらておらず、入学を検討している学生たちが実際に行動を起こすことを促していませんでした。そこで、優秀な学生を惹きつけ、卒業生、寄付者、従業員、雇用者、訪問者など、重要な閲覧者のニーズを満たすために、より強力なウェブサイトを作る必要があることに気付きました。
課題
USF には5つの異なる学部があります。2019年にウェブサイト・サポート・サービスを一元化するまで、それぞれが比較的自律的にウェブサイトの作成と管理を行なってきました。そのため、何千ページもの膨大なコンテンツを整理し、5つのサイトを束ねるという非常に厄介な作業となりました。USF はウェブコンテンツを一元化する措置を講じていたものの、学部ごとに専任のウェブ制作者が学長とだけやり取りをしている状態でした。結果として、一貫性のないエクスペリエンスとなり、学校の目指す方向と食い違ったものとなっていました。USF では、新たな社内チームを活かすと同時に、これまで慣れ親しんだ自主性を維持したいと考えていました。
また、USF が依存していた Drupal 7のシステムが寿命を迎え、Drupal 9に移行する必要もありました。
ソリューション
USF は Digital Pulp と提携し、USF の幹部、広報担当者、オーディエンスなど数十人が参加するディスカバリー・プロセスに取り組みました。彼らの意見は、ブランドイメージの明確化とシンプルなユーザーエクスペリエンスに焦点を当てた、効率化戦略の原動力となりました。
これらの発見をもとに、Digital Pulp は USF のコアバリューを強調する編集ガイドラインを作成。ディスカバリーの中心としてのUSFのアイデンティティと、イエズス会の伝統に根ざした変革の力に焦点を当てました。このガイドラインにより、本物の信頼関係を育み、既成概念に疑問を投げかけ、情報に基づいた行動を促すという USF のコミットメントを尊重したウェブサイトコンテンツが実現。学校の理念の表現と対をなすように、このガイドラインには、USFでの実際の学生体験やそれが学生の成果に与える影響について、どう話せばよいかも示されています。
新しい Drupal 9のアーキテクチャの中で、コンテンツ作成に対するより柔軟でモジュール化されたアプローチのために、従来の Panel から Paragraphs に移行。この移行により、再利用可能なコンポーネントの管理が改善され、より合理的な編集が可能になりました。さらに Pattern Lab をベースとしたコンポーネントアプローチを導入。USF の5つの学部がそれぞれのニーズに合わせたカスタムページのレイアウトを作成できるようにするとともに、ウェブサイト全体のデザイン言語を統一しました。
最終的なデザインは、サンフランシスコという地の利、同校の特徴であるエンゲージド・ラーニングのアプローチ、リーダーシップと成功を育成するという大学のコミットメント、そして正義に対するイエズス会の情熱を強調し、USF のユニークなブランドを表現しました。
結果
初期の報告によると、大学院と学部の出願が二桁増加したとのことです。また、新サイトのシンプルなユーザージャーニーにより、入学希望者は USF の特色を体験しながらプログラムを検討し、簡単に出願することができます。コンポーネントベースのシステムにより、各部は大学の一貫したアイデンティティを維持しつつ、それぞれのニーズに合わせてページをカスタマイズすることが可能となりました。
マーケティング・プラットフォームの効果を把握するための、より優れた分析ツールを手に入れた USF。ウェブサイトと入試システムのデータをひとつのダッシュボードで見られるようになりました。すべての重要なデータを収集することで、より広い範囲からの情報を管理者に提供。そして入学者の獲得結果に確実に貢献するために、必要な戦略を立てるための土台を提供しています。