Vertex

クライアント

Vertex は、重篤な疾患を抱える人々のために革新的な医薬品を創出するため、科学的イノベーションに投資する世界的なバイオテクノロジー企業です。同社は、生命を脅かす希少な遺伝性疾患である嚢胞性線維症（CF）の根本原因を治療する複数の承認済み医薬品を有しており、CF に関する複数の臨床・研究プログラムを現在進行しています。CF 以外にも、鎌状赤血球症、β サラセミア、APOL1 を介した腎臓病、急性・神経障害性疼痛、1 型糖尿病、α1 アンチトリプシン欠損症など、ヒトの生物学的な原因に対する深い知見を必要とする重篤な疾患において、低分子、mRNA、細胞、遺伝子治療（遺伝子編集を含む）を対象とした強力な臨床パイプラインを有しています。

背景

バイオテクノロジー大手である Vertex の主な目的は、患者の認知度や医療従事者（HCP）の関心を高め、業務効率を最適化すること。コンテンツの更新、コード開発、プラットフォーム・サポートにかかるライフサイクル・コストを削減すると同時に、収益性向上を目指していました。さらに、地域ごとに異なる代理店から提供されるコンテンツで維持管理できる、簡単に適応できるウェブサイトを必要としていました。

時間も極めて重要な要素でした。ブランドウェブサイトの安全性に関する重要な情報やラベルの変更を、1週間以内という短期間で確実に行う必要がありました。同社では年間25以上のウェブサイトを開発または移行しているため、全体的な開発時間と労力を30～40％削減し、新しいウェブサイトの市場投入速度を50％向上させることも求められました。最後に、FDA による新ブランドの承認から24時間以内に新しいウェブサイトを立ち上げる必要もありました。

課題

Vertex は、自社のウェブ・プラットフォームと業務の見直しを行う中で、数多くの課題に直面しました。ビジネス面では、プラットフォームへの投資の価値を最大化し、柔軟なデザインとコンポーネントの使用（および再利用）により、ウェブサイトをより迅速に提供することで、市場投入までの時間を短縮したいと考えていました。

技術的な観点からは、さまざまな医療従事者（HCP）のログイン方法を統合するオープンなフレームワークを利用できる、Vertex Digital Delivery 用の柔軟で拡張可能なソリューションが必要でした。

ソリューション

変革をもたらす技術パートナーであるコグニザントと協力し、Vertex は機能性、一貫性、拡張性、正確性、ユーザーフロー定義の明確化、カスタマイズ、アクセシビリティ、全体的なパフォーマンスに重点を置いた再構築プロジェクトに着手しました。

Acquia Site Factory と Site Studio、そして開発効率の観点から Code Studio を採用し、50以上の患者と HCP のウェブサイトの開発と移行を行いました。

Site Factory は、より堅牢で拡張性の高いアーキテクチャとデザインの提供を促進。UI コンポーネント、テンプレート、CMS 機能の一元管理は、再利用性の向上に貢献しました。さらに Site Factory の単一のコードベースにより、ユーザーは更新を1か所で行ってテストし、プラットフォーム上のすべてのサイトに適用することが可能になりました。これにより更新プロセスが合理化され、新規および既存のサイトがすぐに最新情報を得られるだけでなく、メンテナンスやダウンタイムのコストを削減。また、コンテンツ編集者は新しいコンテンツの作成に集中でき、新しいサイトの機能や強化のための予算を確保することができるようになります。

コンポーネント開発に Site Studio を使用することで、コンテンツの変更やデザインの変更に要する時間が大幅に短縮され、以前は更新や承認に長期間を要していたプロセスが合理化。また、60 以上のユニークなコンポーネントから成る再利用可能なコンポーネントライブラリを構築し、すべてのウェブサイト構築でカスタマイズして使用。Site Studio のコンポーネントとテンプレートを使用することで、Vertex のマーケティングチームは既存のコンポーネントライブラリを活用し、新しいウェブサイトを作成する際の開発工数を最小限に抑えながら、決められたデザインを守ることができます。

結果

コグニザントは、複数のサイトで使用される60以上のユニークで再利用可能なコンポーネントを開発し、50以上のサイトに提供。さらに、彼らが開発した再利用可能なコンポーネントは、コンポーネント開発の時間と労力を30～40%削減しました。これらの努力により、クローンサイトの市場投入スピードが50%以上も向上しました。

この新しいプラットフォームは、さまざまな関係者に数多くのメリットをもたらしています。

• 現在、医療従事者と患者は、さまざまな病気に苦しむ人々の長寿と幸福度の向上に貢献するデジタル体験を利用できるようになった
• コグニザントが新たに確立したデジタル戦略、カルチャー、エコシステムを活用することで、各地域の Vertex チームは、有効性と業務効率を高めることができる
• Vertex のブランドマーケティングチームは、Acquia Site Factory に追加のウェブサイトを組み込むことによって、大きなメリットを獲得。この連携と Site Studio の使用により、ウェブサイト開発と展開の納期を短縮することが可能
• 社内ITチームは、ホスティングサービスをより合理的かつ効果的に管理。以前は、Drupal ウェブサイトは AWS でホスティングされ社内の IT チームが管理していたが、Acquia Cloud に移行したことで、彼らの作業負荷が軽減された